エレキギターのハイエンド・ピッチシフター・エフェクター(DIGITECH・HarmonyMan、EVENTIDE・Pitch Factor)

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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、より高品質・高音質な音色を目的とした、上位機種のピッチシフター・エフェクターについて紹介していきます。
Digitech HM2 HarmonyMan Intelligent Pitch Shifter

DIGITECH・HarmonyMan

ユニークなデジタルエフェクトのメーカーとして知られる、DIGITECHの高性能インテリジェント・ピッチ・シフターがHarmonyManです。本機は、入力された音やコードを即座に分析してキーやスケールを判別するmusIQ技術が使われており、簡単に複音、和音を作り出せるのが特徴です。
また、入出力端子も充実しており、DIST SENDとDIST RETURNによるループを使用すれば、本機により追加されたハーモニー音に対してエフェクトを掛けることが可能です。また、SIDECHAIN端子を利用しバッキングを入力すれば、リードが複雑なソロを演奏していても、より正確にキーとスケールを割り出すことができます。
DigiTech HarmonyMan Pedal
機能面では、入力された原音に対して、ユニゾン、±3度、±5度、±1オクターブの音を2つまで付加することが可能です。また、デチューンや+12から-12までのピッチシフトにも対応しているので、音を揺らしたりオクターバーとして使用することもできます。

その他、本機はチューナーやメモリー機能も備えています。単純なピッチシフターでは難しいことですが、メモリー機能を利用すれば演奏しながら簡単にハーモニー音を変えることが可能です。ただ、機能面、音質面、音の追従性で優れる本機ですが、その価格は20000円~30000円とそれなりに高価です。musIQ、チューナー、メモリー、種々の端子等が必要なければ、定番のPS-6等でも問題はなさそうです。
【試奏動画】Eventide PITCHFACTOR ハーモナイザーエフェクター

EVENTIDE・Pitch Factor

インテリジェント・ピッチシフター(ハーモナイザー)の原点でもあるH910やH949を作り出した、EVENTIDEの高性能・多機能ピッチシフターがPitch Factorです。本機はピッチシフター機能に主眼を置いており、ピッチシフトを応用した10種類の機能・モードを備えているため、マルチ・エフェクターのように使用することができます。
Eventide Pitch Factor
本機の高性能さを最も分かりやすく示してくれるのは、ピッチシフトした4つのハーモニー音を付加するQuadravoxモードです。また、付加された2つのハーモニー音を揺らすHarModulatorモード、デチューンしたハーモニー音を付加するコーラスのようなMicroPitchモード、BOSS・PS-6のように歪みを追加するオクターバーのようなOctaverモードなどもあります。
また、特にユニークな機能としては、シンセサイザーのようにスケール上の音を生成するアルペジエーターのようなHarPeggiatorモードなどがあります。その他、本機はmusIQのようにキーやスケールを自動検出する機能、チューナー、メモリー機能、パラメータの入出力するためのMIDI端子、アップデートのためのUSB等、ギターのエフェクターの枠では収まらない様々な機能を備えています。

ちなみに、本機は各ハーモニー音について音程だけでなくディレイのパラメータ等も個別に設定することができます。また、各モードの音質は最上級で、音作りに関しても凄まじい自由度です。ただ、その一方で本機は高価なマルチ・エフェクターと同等かそれ以上の50000円前後という値段で、コストの面では劣ります。しかし、本機は操作性も良くDAWでも再現が難しそうなユニークな音色が多いので、その値段には確かに納得がいきます。

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