ZARD/Don't you see!のサビでも採用されているコード進行のパターンと分析

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コード進行

D♭M7 | E♭ | Cm7 | Fm | B♭m7 | E♭ | A♭M7 | A♭7 |
D♭M7 | E♭ | Cm7 | Fm | B♭m7 | E♭ | A♭sus4 | A♭ |

ディグリーネーム

ⅣM7 | Ⅴ | Ⅲm7 | Ⅵm | Ⅱm7 | Ⅴ | ⅠM7 | Ⅰ7 |
ⅣM7 | Ⅴ | Ⅲm7 | Ⅵm | Ⅱm7 | Ⅴ | Ⅰsus4 | Ⅰ |

機能

SD | D | T | T | SD | D | T | T(Ⅳに対するD) |
SD | D | T | T | SD | D | T | T |

分析

今回はA♭の長調を軸に、王道進行やセカンダリー・ドミナント、sus4といった展開感の強いコードが登場する切なげなコード進行です。コード進行の各セクションはどこを単品で取り出しても非常にインパクトがあり聴き心地に優れ、ポップスの綺麗なお手本となっています。
まず、1~4小節目は「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm」を基本とする王道進行となっており、雰囲気が劇的に変化していきます。その後、5~7小節では聴感が良くコードがなめらかに繋がるトゥーファイブ進行「Ⅱm7→Ⅴ→Ⅰ」が登場します。
その上7、8小節ではコードの第7音が短いクリシェで下降し、セカンダリー・ドミナント・コードのⅠ7が出現します。Ⅴ7がⅠを導くように、このⅠ7はⅣを導く働きをします。そのため、9小節目の王道進行の冒頭と機能的に接続されます。
その後、9~14小節は前半と同じコード進行を繰り返します。そして最後の15、16小節目では、浮遊感のあるオーソドックスな「Ⅰsus4→Ⅰ」というコード進行が現れます。sus4は元のコードに帰りたがる性質を持ち、ここではコード進行の終わりということで綺麗にⅠへと戻っています。

まとめ

今回のコード進行は、全てのコードの繋がりがポピュラー音楽の基本を忠実に守った形となっています。このコード進行は感動的で切なげな雰囲気を作り出せる1つの完成形とも言えるので、様々な場面で出くわすことがあると思います。
また作曲時にコード進行に困ったら、これらを調に合わせて置いてみて、後から代理コードに置き換えたり順番を入れ替えるというのも1つのテクニックです。それぐらい、このコード進行にはポピュラー音楽の根幹を成すものが散りばめられています。

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