サブドミナントマイナー

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サブドミナントマイナーとは、長調においてサブドミナントの代わりに使用できるコードです。
甘酸っぱいような、切ない響きのコード進行には、このサブドミナントマイナーがよく使われます。

広瀬香美/ロマンスの神様のコード進行では、サブドミナントマイナーによる偽終止が使われています。

ポルノグラフィティ/メリッサのコード進行は穏やかで寂しげな雰囲気です。

それではサブドミナントマイナーについて、さっそく見ていきましょう。

サブドミナントマイナー

サブドミナントマイナーは、サブドミナントをマイナーにしたコードです。
ハ長調(Cの長調)を例にすると、サブドミナントのFに対して、サブドミナントマイナーはFmです。

サブドミナント:F(Ⅳ)
サブドミナントマイナー:Fm(Ⅳm)

さて、ではサブドミナントマイナーにはどのような4和音があるのでしょうか。

4和音

サブドミナントマイナーの4和音は次のとおりです。

長6度:Fm6(Ⅳm6)
短7度:Fm7(Ⅳm7)
長7度:FmM7(ⅣmM7)

Ⅳm6はⅡm7-5と同じ構成音を持つコードです。
ということは、どちらのコードもサブドミナントマイナーとして使えるということですね。

また、ⅣmM7は短3度に長7度という見慣れないコードです。
ただ、サブドミナントⅣM7の長3度を半音下げるだけで、ⅣmM7は簡単に現れます。
個人的には、ⅣmM7は長短が入り交じる、複雑で感情的で魅力的なコードだと思います。

使い方

サブドミナントマイナーは次のようなコード進行が基本です。

F→Fm→C
Ⅳ→Ⅳm→Ⅰ

サブドミナントからトニックに進むこの進行は、サブドミナントマイナー終止と呼ばれます。
このコード進行では、Fの長3度のAが短3度のA♭に変化します。
そしてA♭はCの完全5度のGへ移り、音がなめらかにつながります。

次もサブドミナントマイナーの基本的なコード進行です。

F→Fm→G7→C
Ⅳ→Ⅳm→Ⅴ7→Ⅰ

こちらでは、FmのA♭がGの完全1度のGへと移り変わり、音が流れていきますね。

代理コード

サブドミナントマイナーは同主調のサブドミナントです。
そのため、同主調に代理コードがあります。
そしてもちろん、その代理コードはサブドミナントマイナーの代わりに使うことができます。

ハ短調のダイアトニックコードを見てみましょう。

Cm、Dm-5、E♭、Fm、Gm、A♭、B♭
Cm7、Dm7-5、E♭M7、Fm7、Gm7、A♭M7、B♭7

これらのうち、Fm(Fm7)の代表的な代理コードは次の2つです。

Dm-5(Dm7-5)
A♭(A♭M7)

ディグリーネームで表すと次のようになります。

Ⅱm-5(Ⅱm7-5)
♭Ⅵ(♭ⅥM7)

どちらもFm(Fm7)の代理コードそのものですね。
コード進行に組み込んでみると次のようになります。

C→Dm7-5→G→C
Ⅰ→Ⅱm7-5→Ⅴ→Ⅰ

暖かくてとても優しい響きですね。

C→A♭M7→G7→CM7
ⅠM→♭ⅥM7→Ⅴ7→Ⅰ

転調感のあるだいぶ刺激的な響きです。


サブドミナントマイナーは、人の心情の機微を表す繊細なコードの1つ。

その他の代理コード

他にも、♭Ⅵの音を持つコードはサブドミナントマイナーの代理として使うことができます。
例えば、Cの長調におけるB♭7(♭Ⅶ7)は、短7度の音がA♭(♭Ⅵ)の音です。
だいぶ過激な響きになってきました。

また♭ⅡM7も、完全5度の音がA♭(♭Ⅵ)なのでサブドミナントマイナーとして使えます。
懐かしくもちょっと歯車のずれを感じるような響きです。
♭ⅡM7は17世紀にナポリのオペラでよく使われたことから、ナポリの6度とも呼ばれます。

転調

サブドミナントマイナーは、同主調や同主調の平行調への転調に使うことができます。
ハ長調を主調に考えると、Fmを持つコードは同主調のハ短調(Cの短調)です。
そのため、サブドミナントマイナーを利用してハ短調に転調できます。

また、ハ短調の平行調は変ホ長調(E♭の長調)です。
つまり、短3度上の長調にも転調できますね。

まとめ

サブドミナントマイナーは、長調においてその響き自体が非常に魅力的です。
場面としては、恋愛やその機微を表すコードとしてよく使われます。

また、サブドミナントマイナーは同主調への転調の架け橋です。
転調は人の感情や自然などの起伏を表現するのに欠かせません。
サブドミナントマイナーも、身につけておくと様々な場面で役立ちます。

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