エレキギターのハイエンド・ディストーション・エフェクター(BLACKSTAR・HT-DUAL DS-2、TC ELECTRONIC・NDR-1 Nova Drive)

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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、より高品質・高音質な音色を目的とした、上位機種のディストーション・エフェクターについて紹介していきます。
Blackstar HT Dual

BLACKSTAR・HT-DUAL DS-2

真空管アンプ設計の知識と経験を生かした開発を行う、BLACKSTARの真空管内蔵多機能ディストーションがHT-DUAL DS-2です。本機はクリーンとクランチトーンを選べるCH1、ハイゲインサウンドのCH2という2種類のディストーションエフェクター、そしてISFツマミを備えているのが特徴です。
ツマミに関しては、まずそれぞれのCHに対して歪みの強さを決めるGAINと音量のLEVELがあります。また、CH1のGAINに関してはCLEANとCRUNCHを選べるスイッチがあるため、本機は実質的には3種類の歪みを作り出せるエフェクターとも言えます。一方、低音域のBASS、中音域のMIDDLE、高音域のHIGHの各フィルターは各CHで共通です。
Blackstar HT-DUAL DS-2 demo
そして、本機で最も特徴的なツマミはISF(Infinite Shape Feature)です。これは、ツマミを操作することで音色をUSA寄りのサウンドやUK寄りのものに変化させるというもので、全てのフィルターに作用します。メーカー側では、まずISFを12時にセットし、それから全てのツマミを調整し終えた後、再びISFを操作して好みの音色を探すことを推奨しています。
ハードウェア面では、本機はDIGITECHのエフェクターのようにスピーカーからの出力を再現し、ミキサーに信号を送るための出力端子を備えています。また、本機の専用アダプタは9Vではなく22Vなので、一般的なパワーサプライで動作させることはできません。そのため、エフェクターケースにセッティングする場合は、本機とアダプターの配置に工夫が必要です。

しかし、本機はそういったハードウェア面での弱点をものともしない、高電圧で張りのある音色が魅力的です。また、各ツマミの効きも良いので、様々なギターやピックアップの特徴を生かしつつ、幅の広いインパクトある歪みが作れます。そして、この筐体に3種類の歪み系エフェクターが収まっていることを考えると、本機は金額面でもサイズ面でもコストパフォーマンスに優れたエフェクターと言えます。
TC Electronic Nova Drive overdrive/distortion pedal

TC ELECTRONIC・NDR-1 Nova Drive

高品質なラックタイプやフロアタイプのエフェクター開発で知られる、TC ELECTRONICの多機能ディストーションがNDR-1 Nova Driveです。本機は原理や種類ごとにエフェクトがセットになっているNovaシリーズの1つで、歪み系のマルチ・エフェクターとも言える存在です。ちなみに、操作系等はデジタルですが、歪ませるための回路はアナログ仕様です。
本機の最大の特徴は、内蔵のオーバードライブとディストーションを好きな順番で接続したり、BOSSのLS-2を使ったかのように並列で接続できる点にあります。複数の歪み系エフェクターを内蔵しているものは珍しくありませんが、本機はこの直列、並列を自由に切り替えられるノーマルモードが音作りの幅を広げてくれます。
Total integration with Nova Drive and G-System from TC Electronic
更に、選択できるモードの中には、片方のエフェクトをオンにした際に他方のエフェクトをオフにできるトグル・モードもあります。これらと設定を保存できるバンク・モードを使い分ければ、ライブでも円滑なエフェクトの切り替えが可能です。
また、本機は操作部分がデジタル化されているので、これらのモードやツマミといった機能はフット・スイッチやMIDI、TC ELECTRONICのマルチ・エフェクターG-SYSTEMなどで操作することができます。ただ、本機も入力が9Vではなく12Vなので、汎用のACアダプタが使えないという弱点を持ちます。

音色に関してはどちらの歪みも非常に上品で、一つ一つの音がしっかりと分離されつつも、適度に溶け合って聞こえます。また、ディストーションをオーバードライブでブースターさせた迫力あるサウンドや、BOSSのOS-2のようにそれぞれの歪みをブレンドさせた音圧のあるサウンド等、本機の音色とそのバリエーションの広さはとても良く出来ています。

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kdm

kdm

1987年東京都生まれ。夏は潮の香りで南国気分、青空が綺麗な千葉県在住。コードを愛でたいプログラマ/システムエンジニア/スクラムマスター/作曲家。10代の頃、趣味のゲーム/ゲーム音楽と、偶然触ったアコースティックギターがクロスオーバーし、作曲の面白さと奥深さに気付く。その後、想ったことや感じたことを音楽で表現することに興味を持ち、作曲の技法を学び始める。作曲のあまりのハードルの高さに何度も挫折したが、めげずに試行錯誤しながら作曲の技法を学び続けた。その結果、作曲をお願いされるようになり、作曲家の端くれに。本業も音楽も花開いたボロディンが憧れ。サイトを通じて、音楽に関して学んだこと、思ったことを共有したいです!

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