フリーのギター音源

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比較的最近のキーボードには、midi端子だけでなくUSB端子が搭載されています。そのため、PCと接続してDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等を利用することで、世界中のミュージシャンやエンジニアが録音・作製した音源を使用することが可能です。
DAWに関しては有料のものがほとんどですが、日本製のMSPや、海外製ですが市販のものと同等がそれ以上の能力を持つReaper(ただしフリーなのはバージョン1.00未満のみ)といったものがあります。
こういったDAWで使用できる追加の音源は有料やドネーションウェアのものも多いですが、無料で気軽に試せるものも多くあります。ここでは、VSTiのサウンドフォントプレイヤー等で使用できる、音源について紹介していこうと思います。

クリーンギター


サンプリングに使用されたギターと同系統のヤマハ・PACIFICA(左利き用モデル)
作者 Ludds

YamahaGtr


海外のフォーラム「LinuxMusicians」に投稿されている、クリーン・トーンの生エレキギター音源がYamahaGtrです。ファイルは「yamahagtr.zip(25.6 MB)」という形で配布されており、解凍するとおおよそ36.3MBほどになります。
yamahagtrのフォルダ内には様々なsfzファイルがあります。それぞれは、音を伸ばしたyamaha_sus.sfz、ステレオ化されたyamaha_sus_s.sfz、リアルなノイズが入るyamaha_sus_nz.sfz、ミュート音のyamaha_mute.sfz、ベロシティによって音が切り替わるyamaha_sus_mute.sfz、ハンマリング・オフ(プリング・オフ)が掛かるyamaha_sus_hoff.sfzといった形で分けられています。
yamahagtrはエレキギター音源の中でもかなり優秀で、アンプ・シミュレータなどを通せば一音一音だけで聞けば非常にリアルな音になります。しかし、エレキギターは弦の押さえ方やピッキングの速さ、角度、ビブラートの有無で簡単に音が変化するため、音源に関係なく打ち込みで再現するのは至難の業と言えます。

EGtPaci_sf2


野営 DTMerさんによってかつて配布されていた、YAMAHA PACIFICA312をサンプリングした生エレキギター音源がEGtPaci_sf2です。こちらは既にウェブサイト自体が消滅しているため、ウェブ・アーカイブからダウンロードすることになります。
EGtPaci_sf2は1つのsfzファイルに5種類のプリセットが組み込まれています。Full Velocity Layerはベロシティによって音が変化し、mpはやや弱い音が、mfはやや強い音が、harmonics mix fとharmonics mix ffではハーモニクスが付加された音が出力されます。
こちらも数あるエレキギター音源の中ではとても優秀で、エフェクターやアンプ・シミュレータなどを通し、ピッチ・シフトやビブラート等でギターの奏法を再現すれば非常にリアルなサウンドが得られます。そのため、エレキギターは演奏できないけれどそのサウンドを楽曲に組み込みたい、という方にはうってつけの音源かもしれません。ただし、演奏をそれっぽくするのはとても大変です。

myVST Demo: SuperRiff Guitar

SuperRiff Guitar


SuperRiff Guitarはエレキギターの音色をコンピューター上で再現するVSTi音源です。こちらはそこまで複雑な機能は無く、インターフェースには、ボリューム、パン、アタック、ディケイ、サステイン、リリース、そしてリバーブといったシンセサイザーらしい設定項目が並びます。それと、公式サイトが閉鎖されているため、再配布されているものをダウンロードするしかありません。上記のサイトではWindowsのロゴをクリックするとダウンロードが開始されます。

【DTM COVER】 JUDAS PRIEST – One Shot At Glory (inst) – by oceanStaff

ピッキングに関しては、ハーフ・ミュートをかけるMUTE、弾きっぱなしのOPEN、音を揺らすVIBRATO、そしてベロシティでこれらを使い分けるFULLモードを備えています。その音質は、VSTeのギターアンプやエフェクターを通せばメインメロディを担当することも可能です。そしてその設定をバッキング等に流用すれば、ギターらしい伴奏も作れると思います。ただ、ギターらしさをコンピュータ上で再現するのは難しいので、それなりの音にするには根気が必要です。

ガットギター

nylon guitars


nylon guitarsは3つの音色が収録されている、力強く存在感のある生ガット・ギター音源です。音色にはそれぞれ番号が振られており、1は一般的なガット弦によるギターの音、2はステレオ化された音、3は丸みのある音で高音弦ではビブラートがかかります。これらはどれもリアルな音色なので、ベロシティや発音のタイミングを工夫すればそれらしくギターを鳴らすことができそうです。
ただし、録音した音をそのままダイレクトに使用しているためか、音はノート・オフの有無に関係なく一定時間後にバッタリと止みます。そのため、ギターの残響音が残り鳴り続ける曲の終わりといったシチュエーションでは、やや不自然さが残る可能性はあります。

westgatenylonguitar


westgatenylonguitarはwestgatestudios.comが配布していた、バッキングなどに適する落ち着いた印象のガット・ギター音源です。こちらは音が非常に上品で癖が無く、減衰も自然なので様々な場面に活用できそうです。また、音に強い個性が無いことが幸いして、westgatenylonguitarにはリバーブやコーラスといったエフェクトが効果的に掛かります。
そのため、westgatenylonguitarはゆったりとしていれば明るい雰囲気でも暗い雰囲気でも、様々な楽曲にマッチしそうです。ただし、やはり個性はそこまで強くないので、コード感やリズム感を出すためのバッキングが適任のように思えます。そう考えると、nylon guitarsは主役として、westgatenylonguitarは縁の下の力持ちとして使い分けると上手くいきそうです。

スチールギター

VL Acoustic Guitar 1.1


VL Acoustic Guitar 1.1は低音弦のビビリのような振動までサンプリングされている、非常にリアルでパーカッシブな生のアコースティック・ギター音源です。ベロシティ・レイヤーによりある程度変化しますが、音色は全体的に張りがあり、丸みがあるというよりはアタック感に優れています。
また、ベロシティの強さによってVL Acoustic Guitar 1.1の音の大きさやアタック感は大きく変化します。このベロシティによる違いがVL Acoustic Guitar 1.1の最大の魅力で、これはギターらしさを表現するのに大いに役立ちそうです。しっかりとベロシティの強弱をつけてMIDIを打ち込めば、かなりリアルなアコースティック・ギターを再現することも夢ではないかもしれません。

各種ギター

DSK Music presenta Hispasonic Sampled Series


こちらは様々なVSTをリリースしているDSK musicとHispasonic.comが提供する、様々な楽器のサンプリングライブラリです。サウンドフォントの他にもKontaktやSampleTankといった様々なフォーマットが用意されており、それぞれ全体の容量は270MB程になります。
この270MBのファイルの中には、3種類のグランドピアノ、アコースティック、ナイロン、スチールと名付けられた3種のアコースティック・ギター、3種のサックス、6つのエレクトリック・ピアノ音源が収録されています。これらはどれも実用に耐えうる音質を誇り、その中のスチール・ギターも音に張りがあり、コードのストロークはとても綺麗で元気があります。

Playing Spicy Guitar

Spicy Guitar


Spicy Guitarは物理モデリングによるリアルな音色が特徴のアコースティックギター・シンセサイザーです。このVSTiは9種類のギターとスチール・ナイロン弦による音作りに加え、ビブラート、パームミュート、ハーモニクス音の有無、数種類のリバーブ、弦を弾く位置、ピック弾きか指弾きかといった様々な設定機能を備えています。
Spicy Guitar – Free VST – myVST Demo
更に、コードの検出機能もあり、鍵盤の押さえ方、つまり信号の種類によってポジションやストロークの向きを変化させることも可能です。また、こういった機能のオンオフを鍵盤で操作できるので、鍵盤上でギターらしさのある演奏をある程度行うことができます。その音色は、アコースティック・ギターの音をピエゾ・ピックアップで電気的に拾ったような音で、なかなかリアルです。

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kdm

kdm

1987年東京都生まれ。夏は潮の香りで南国気分、青空が綺麗な千葉県在住。コードを愛でたいプログラマ/システムエンジニア/スクラムマスター/作曲家。10代の頃、趣味のゲーム/ゲーム音楽と、偶然触ったアコースティックギターがクロスオーバーし、作曲の面白さと奥深さに気付く。その後、想ったことや感じたことを音楽で表現することに興味を持ち、作曲の技法を学び始める。作曲のあまりのハードルの高さに何度も挫折したが、めげずに試行錯誤しながら作曲の技法を学び続けた。その結果、作曲をお願いされるようになり、作曲家の端くれに。本業も音楽も花開いたボロディンが憧れ。サイトを通じて、音楽に関して学んだこと、思ったことを共有したいです!

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