BONNIE PINK/泡になったのAメロでも採用されているコード進行のパターンと分析

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コード進行

Em9 | Em9 | Bm9 | Bm9 |
Em9 | Em9 | Bm9 | Bm9 |
Em9 | F#m7 | A/B | B |
Em9 | Em9 | Em9 | Em9 Fm9 |

ディグリーネーム

Ⅰm9 | Ⅰm9 | Ⅴm9 | Ⅴm9 |
Ⅰm9 | Ⅰm9 | Ⅴm9 | Ⅴm9 |
Ⅰm9 | Ⅱm7 | Ⅳ/Ⅴ | Ⅴ |
Ⅰm9 | Ⅰm9 | Ⅰm9 | Ⅰm9 Ⅱ♭m9 |

機能

T | T | D | D |
T | T | D | D |
T | SD | SD/D | D |
T | ⅠT | T | T (コードのスライド) |

分析

今回はEの短調を主調とした、旋律的短音階のコードとテンション付きのコードが登場する、穏やかですが暗く鋭い響きのコード進行です。
まず、コードは主要和音のトニックにテンションの長9度が付加されたⅠm9から始まります。そしてⅠm9が2小節続いた後、コードは主要和音のドミナントにダイアトニック外の長2度が付加されたⅤm9へと進みます。こうして、この4小節にわたるコード進行は2度繰り返されます。ただし、テンションの影響が色濃いため終止感はやや希薄です。
次に、9小節目からは「Ⅰm9→Ⅱm7→Ⅳ/Ⅴ→Ⅴ」という形でコードが進行します。本来、Ⅱm7、Ⅳ、そしてⅤは、自然的短音階のスケールに従えばⅡm7-5、Ⅳm、Ⅴmとなります。しかしここでは一部のコードが、スケール第6と第7の音を半音持ち上げた和声的短音階に基づくコードに変化しており、正式なトゥーファイブ進行が成立しています。
その後、13~16小節ではⅠm9が連続します。そして最後の16小節目では、コードをそのまま半音スライドさせたⅡ♭m9が一時的に登場します。こうして、コードは次のコード進行のブロックへと進んでいきます。

まとめ

今回のコード進行では、長9度による暗く深く鋭い響きや、和声的短音階のコードによる明るい響き、そしてコードのスライドによる響きの鋭い変化が印象的でした。
テンションは、元のコードに感情や色、空気感を加えることができる面白いテクニックです。また、今回のようにⅤmに長9度の音を付加する場合は、ダイアトニック・スケール外の音が加わります。そのため、その響きには意外性があります。
和声的短音階は、スケールの構成音が長3度ではなく短3度であることを除けば、長調と変わりません。そして今回は、和声的短音階の主要和音のみを利用することで、短音階を上手に組み合わせて使用し、明るい雰囲気を作り出しているようです。
また、コードのスライドはギターの演奏で行いやすく、頻繁に見かけます。そのため、今回のコード進行は鍵盤ではなく、ギターによって作られたものかもしれません。

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