和田光司 Butter-flyのサビでも採用されているコード進行のパターンと分析

3分で読めます。

コード進行

E | B | C#m | G#m |
A | E C#m | A | B |
E | B | G#7/C | C#m G#m |
A | G#m C#m | C | D | E |

ディグリーネーム

Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm |
Ⅳ | Ⅰ Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ |
Ⅰ | Ⅴ | Ⅲ7/♭Ⅵ | Ⅵm Ⅲm |
Ⅳ | Ⅰ Ⅵm | ♭Ⅵ | ♭Ⅶ | Ⅰ |

機能

T(カノン進行の起点) | D | T | T |
SD | T T | SD | D |
T | D | T/T(Ⅵに対するD) | T T |
SD | T T | T(同主短調の第6のコード) | SD(同主短調第7のコード) | T |

分析

今回はEの長調を主調とした、カノン進行やセカンダリー・ドミナント・コード、オンコードや同主短調のコードが登場する、力強さと切なさのあるコード進行です。カノン進行は「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」を基本とする伝統的な進行で、これまで様々なヒット曲に使用されてきたことで知られます。
まず、コードは1~8小節目にかけて「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ」と進行します。これはコードを代理コードに置き換えたりせず、カノン進行をそのまま利用したものとなっています。ただし、6小節目ではトニックⅠとサブドミナントⅣの間にトニック代理のⅥmが挟み込まれており、にぎやかさが増しています。
次に、9~17小節目は「Ⅰ→Ⅴ→Ⅲ7/♭Ⅵ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅵm→♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ」とコードが進行します。こちらも前半と同じくカノン進行を踏襲していますが、細部が異なります。例えば、10小節目のⅤと12小節目のⅥmの間には、Ⅵmに対するドミナントでオンコードがベースを滑らかに繋ぐ、Ⅲ7/♭Ⅵが登場します。
また、15~17小節目はカノン進行の最後のドミナント終止「Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ」とは異なり、「♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ」とコードが進行します。この♭Ⅵと♭Ⅶは同主短調Ⅰmの第6、第7の借用コードで、同主短調の平行長調におけるⅣとⅤにあたります。そのため、ⅠをⅥとみなせば変則的な偽終止が成立していることになり、コード同士がスムーズに接続されています。

まとめ

今回のコード進行では、カノン進行中に代理コードやセカンダリー・ドミナント・コード、同主短調の借用コードが追加されていました。こういったコードの追加は通常のコード進行でも十分に効果を発揮しますが、元から響きが優秀なカノン進行では更にその魅力が増します。またカノン進行の響きがシンプルに感じる場合には、楽曲に合うようこのように変化を加えると良さそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。