Kiroro/僕らのメッセージのサビでも採用されているコード進行のパターンと分析

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コード進行

C | G/B | Am7 | Em7 |
F | Em7 Am7 | B♭ | Gsus4 |
C | G/B | Am7 | Em7 |
F | Em7 Am7 | F | F/G |

ディグリーネーム

Ⅰ | Ⅴ/Ⅶ | Ⅵm7 | Ⅲm7 |
Ⅳ | Ⅲm7 Ⅵm7 | ♭Ⅶ | Ⅴsus4 |
Ⅰ | Ⅴ/Ⅶ | Ⅵm7 | Ⅲm7 |
Ⅳ | Ⅲm7 Ⅵm7 | Ⅳ | Ⅳ/Ⅴ |

機能

T(カノン進行の起点) | D/D | T | T |
SD | T(平行短調のD) T | SD(同主短調の第7のコード) | D |
T(カノン進行の起点) | D/D | T | T |
SD | T(平行短調のD) T | SD | SD/D(Ⅳadd9と同じ構成音) |

分析

今回はCの長調を主調としつつ、カノン進行にオンコードや平行短調のドミナント進行、同主短調の借用コードやsus4を織り交ぜた、明るく優しいコード進行です。カノン進行「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」はドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルの「パッヘルベルのカノン」に代表されるコード進行で、感動的な響きから様々な楽曲に用いられています。
まず、1~4小節目でコードは「Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm7→Ⅲm7」と進んでいきます。オンコードによりベースラインが整えられてはいますが、これはカノン進行の前半部分である「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm」に当てはまります。
次に、5~8小節では「Ⅳ→Ⅲm7→Ⅵm7→♭Ⅶ→Ⅴsus4」というコード進行が登場します。こちらもカノン進行の後半部分である「Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」に変化を加えたものとなっており、主要和音でトニックのⅠはその代理の「Ⅲm7→Ⅵm7」に置き換えられています。ちなみに、この「Ⅲm7→Ⅵm7」はⅥmをⅠmとする平行短調のドミナント終止「Ⅴm7→Ⅰm7」にあたります。
また、Ⅳは♭Ⅶに置き換えられていますが、♭Ⅶは同主短調Ⅰmにおける第7のコードにあたります。この♭Ⅶはダイアトニック外のコードであり、トニックやサブドミナント、ドミナントなどへ比較的自由に進行することができます。そして♭Ⅶは勇敢な響きのⅤsus4へと進み、Ⅴを経由せずに響きを保ったままⅠへと戻っていきます。
9~16小節は基本的には1~8小節目の繰り返しです。ただし、15、16小節目は「Ⅳ→Ⅳ/Ⅴ」という、sus4とは異なった終わりに向けての進行に変化しています。Ⅳ/Ⅴはコード部分こそサブドミナントのⅣですが、ベース部分がドミナントのⅤということで個性的な終止感が生まれます。こうして、コード進行は終わりを迎えます。

まとめ

今回のコード進行もまた、カノン進行にアレンジを加えたものとなっていました。カノン進行において、ⅤをⅤ/Ⅶに置き換えることでベースラインを滑らかにしたり、トニックのⅠをその代理の「Ⅲm7→Ⅵm7」に置き換えるテクニックはよく見かけます。また、今回は更なる明るさをもたらす♭Ⅶや勇敢なⅤsus4が用いられており、コード進行に個性が与えられています。

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