エレキギターの基本的な奏法・テクニック(チョーキング、ビブラート、スライドとグリッサンド、アルペジオ、ハーモニクス)

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エレキギターにおける奏法やテクニックには様々なものがあります。ここではそれらの基本的なものを紹介していきます。これらは基本にして最も重要なテクニックなので、常日頃から向上心を持って取り組んでいきたいところです。練習フレーズも用意しておきました。

チョーキング

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チョーキング
作者 Giacomo Ritucci
チョーキング(ベンディング)は指で弦を引っ張ることで音の高さを変える演奏技法です。チューニングの種類により、どこまでチョーキングで音の高さを上げられるかが変わってきます。これは弦の張力がチューニングにより変化するためで、限界以上にチョーキングすると場合によっては弦が切れます。
チョーキングは音の高さを全音2つ分上げる2音チョーキング、全音1つと半音1つ分上げる1音半チョーキング、全音1つ分上げる1音チョーキング、半音1つ分上げる半音チョーキング、そして半音に満たないクォーター・チョーキングがあります。
演奏上で注意するべきは、チョーキング前後に音が途切れないようにしっかりと弦を押さえることと、一般的なギターはチョーキングを多用するとチューニングが狂ってしまうという点です。また、弦が新しければチョーキングにより弦が伸びるので更にチューニングが狂いやすくなります。

チョーキングの応用

チョーキングの応用として、2本の弦を同時にチョーキングするダブルチョーキングというテクニックがあります。非常にギターらしい音色になりますが、2本の弦の音が止まないようにチョーキングするためにはいくらかの練習が必要になるかもしれません。
また、複数弦を弾く場合にいくつかの弦のみチョーキングが要求されることもあります。この場合、弦が和音を作ることもあれば、ユニゾンすることもあります。その他、チョーキングした状態の弦を弾くチョーク・アップという奏法もあります。
そして、チョーキングの基本にして最も重要な応用テクニックは、チョーキングのかけ方です。チョーキングをゆっくりとかけるか速くかけるか、ぴったりと音の高さを上げるのかそれとも必要以上に上げて戻すのか、といったように様々なバリエーションがあります。こういった判断が必要になるため、チョーキングのかけ方はギタリストの腕前がはっきりと現れる部分とも言われます。

ビブラート

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音量を揺らすトレモロと音程を揺らすビブラートの違い
作者 Aandroyd
チョーキングを細かく繰り返すことで、音の高さを揺らすビブラートをかけることが可能です。チョーキングをかけた後にビブラートをかけるチョーキング・ビブラートといった複合テクニックもあります。
そして、このビブラートも大きくあるいは小さく、ゆっくりとあるいは速く、だんだんと速くあるいはだんだんと遅く、といった様々なバリエーションがあります。こちらもどのようにビブラートをかけるのか判断が問われる場面が多いので、ギタリストの腕前が如実に現れます。

スライドとグリッサンド

スライドは押弦した指を滑らせることで音を途切れさせずに滑らかに音程を変えていく技法です。素早く左右にスライドすることで、こちらの方法でもビブラートを行うことが可能です。これに対して、グリッサンドはスライドと同様に音を滑らかに繋ぐテクニックですが、始める音あるいは止める音を指定しません。

アルペジオ

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コードを分解して演奏するアルペジオ
作者 DasBee
和音を構成する音を順番に弾いていく奏法がアルペジオ(分散和音)で、コード感をはっきりと出しつつメロディを奏で、リズムを作ることが可能な技法です。和音の構成音を弾く順番にはいくつものバリエーションがあり、また演奏時にピックではなく指を用いる場合もあります。
指を用いる場合、親指が6~4弦、人差し指が3弦、中指が2弦、薬指が1弦を担当する場合もありますが、3本指、2本指で演奏するといったスタイルもあります。

ハーモニクス

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ハーモニクスの可能な位置と音の高さ
作者 messerWoland
ハーモニクスは倍音を多く含む音を出す方法です。ギターの場合にはいくつかの方法があり、最も簡単な方法は弦の1/整数の位置にあるフレットに軽く触れた状態で弾くことです。例えば弦長の1/2は12フレット、1/3は7と19フレット、1/4は5と24フレットです。
より高度なテクニックとして、弦を弾く際にピックを持った親指を弦に触れさせることでハーモニクス音を出すピッキングハーモニクスというものもあります。慣れが必要ですが、このテクニックは様々な楽曲で登場するので非常に重要です。

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