エレキギターのトラスロッド調整

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ネック内のトラスロッド
作者 Mikhail Yakshin
ギターのネック内には、トラスロッドと呼ばれる鉄の棒が埋め込まれています。この棒はギターのネックが弦の張力に負けて反らないようにするためにあります。この棒のおかげで、トラスロッドの逆反りと、ネックや弦の張力の順反りが相殺され、まっすぐ安定したネックが作られます。

順反りと逆反り

Truss_rod_patent.JPG

トラスロッドの特許を示すイラストとその概要図
作者 Dake
基本的にネックの反りは、ギターのネックが弦の張力に負けてしまう順反り、トラスロッドが反りすぎていることにより生じる逆反りの2種類です。また、厄介なことに、この2つのどちらかが部分的に起こったり、別の箇所で同時に起こったりといった、反りもあります。

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トラスロッドの調整によるネックの反りの解消
作者 Bamnehagen
複雑な反りはギターのリペアマンで無ければ修正することは難しいですが、単にネックの真ん中ぐらいから反っているだけの簡単なものであれば、トラスロッドを調節することで直すことが可能です。
調整方法

Truss_rod_screw.jpg

ヘッド側にあるトラスロッド調節部分
作者 Detlev Dördelmann
トラスロッドの調整には六角レンチかドライバーを用います。どちらが必要になるかはギターの種類によって変わりますが、レンチの場合はギターの購入時にサイズの合ったレンチが付属していることもあります。
ただ、付属していなかったり、ドライバーが必要な場合はサイズを確認して工具を購入する必要があります。トラスロッドは、ヘッド部分かネックジョイント部分に調節用の穴があります。これを六角レンチにより回すことで、トラスロッド自体の反りを調整できます。

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トラスロッドの位置を示すネック裏側の黒いインレイ
作者 Detlev Dördelmann
ネックが順反りならば、トラスロッドの逆反りの力は、ネックの順反りの力に比べて弱いことを意味しています。そのため、トラスロッドを時計回りに締めることでこの順反りを矯正することができます。逆に、ネックが逆反りならば、トラスロッドの力が強すぎるということなので、反時計回りに回すことでトラスロッドの反りを緩めることができます。

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鉄の棒が2本あり、その中の1本を調整することで反りを調節するダブル・アクション・トラスロッド
作者 Bamnehagen
特に注意しなければならないことは、一度に締めすぎない、緩めすぎないということです。掛かっている力が急激に変化すると、木材であるネックに悪影響を与え、順反りと逆反りの組み合わさった波打ち状態になる等、悪化することもあります。
また、トラスロッドを締めすぎるとロッドに負担がかかり、最悪の場合には折れてしまうのでこれだけは絶対に避けてください。
ただ、餅は餅屋というわけではありませんが、ネックの反りが複雑であったり、調整の効果があまり感じられなかったりした場合は楽器店に持ち込むことが確実です。ただし、お金はそれなりに掛かるので、ひどい状態になる前に定期的にチェックしておくことが大切です。

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