エフェクターに電源を供給する9V電池

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エレキギターやベース、場合によってはシンセサイザーにも使用するエフェクターには、電気の供給が不可欠です。この場合、電源アダプタが使用されることも多いのですが、アダプタが使用できない路上等では9V電池も良く用いられます。そこで、ここではエフェクター等の電源供給に使用される9V電池について説明していきます。

9V電池

9V電池は、電気の発生に必要な電解液を固体に染み込ませて担持させ、扱い易くした乾電池の形状の1つです。一般的に、乾電池にはマンガン、アルカリ、ニッケル、リチウムといった種類があります。

Zinc–carbon battery.JPG

マンガン乾電池
作者 星空マニア
9V電池が電子楽器に用いられる場合、主に低容量ですが安価なマンガン乾電池か、高容量のアルカリ乾電池が使用されます。そして、この2種類の9V電池はそれぞれ長所と短所があり、場面によって使い分けられます。
例えば、マンガンは安価ですが容量が少なめです。また、休ませることで電圧が回復するので、長い期間電池を保管・使用するのに適しています。そして、電池の残量低下とともに電圧がゆっくりと降下し、音量等が少しずつ低下していきます。一方、アルカリは比較的効果ですがその分容量が多めです。そして、こちらは電圧が安定しており、残量がある程度無くなると電圧が突然降下します。

Alkali_battery_5.jpg

アルカリ乾電池
作者 Aney

エフェクターと9V電池

エフェクターには、入力された信号をそのままアナログで処理するものと、デジタル信号に置き換えて処理をするデジタルのものがあります。例えば、SD-1といった昔ながらの歪み系エフェクターはアナログで、RV-5といったある空間を再現するような複雑な処理が必要なリバーブはデジタルです。
こういったアナログとデジタルのエフェクターの間では、機能や音色だけでなく、消費電力にも違いがあります。一般的に、アナログで動作するエフェクターは比較的機能と構造が単純なため、消費電力も小さい傾向にあります。一方、デジタルで動作するエフェクターは信号を処理する回路が複雑で、また安定した電源供給が必要で、消費電力は大きめです。

一般用マンガン9V乾電池
ただし、実際の消費電力は各エフェクターによって異なります。また、デジタル処理のエフェクターでは使用する電池の種類に関して説明書などに注意があることがほとんどです。そのため、シンプルなエフェクターでえあっても一度は目を通しておいたほうが無難です。

音色

音色面に関しては、使用する電池の種類や劣化度合いにより、特にアナログのエフェクターで音が変化します。この変化はエフェクターの種類よって異なり、新品と劣化した電池ではエフェクト音の音量や掛かりが変わります。

楽器用アルカリ9V乾電池、DURACELL
また、マンガン電池では徐々に電圧が低下していくため、これも音色の変化に関わってきます。その他にも、メーカーによって乾電池の細かな特性が異なってくるため、こちらも出力音に変化を与えると言われています。こういった理由から、9V電池にこだわるギタリストは少なくありません。

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